ニュースリリース
「PCのかかりつけ医」として100年企業への基盤構築を目指す
黒木英隆・メディエイター社長プロフィール
(くろき・ひでたか)1967年、宮崎県生まれ。89年大学卒業後、九州大手スーパーに就職。92年大手PC販売会社に転職。2003年にメディエイターを設立し、代表取締役社長に就任。
個人が使用するデバイスがスマホやタブレットに移行する中、どんな戦略を描いているのか。
高齢者向けを中心とした中古PC市場の拡大にいち早く目を付け、事業を成長させてきたのがメディエイター社長の黒木英隆氏だ。企業などから使用済みのPCを直に仕入れ、修理、整備して販売する。西日本で唯一のマイクロソフト認定再生PC事業者でもある。
PC業界には2020年、大きな波が来ると予想されている。同年1月14日にマイクロソフトが「Windows 7」の技術サポートを終了する2020年問題。期日を前に「Windows 10」へのアップデート需要が増加し、中古PC販売も伸びると見られている。
「こういう機会を大チャンスにするには、“継続”を前提にお客さまと“接続”することを考えなければいけません。お客さまが本来やりたかったことのために中古PCを活用していただくために、今後は『地域のかかりつけ医』としての存在になろうと思います」
大量に仕入れて価格競争で勝負する量販店スタイルではなく、「お客さまの問題解決や可能性の拡大に焦点を当てる」という。そのため、販売後のアフターフォローをさらに重視していく方針だ。
目指すのは、5万人の商圏に対しPCのかかりつけ医を1人の割合で置く体制だ。フランチャイズを含め、2人運営体制であれば1千店舗まで拡大できる可能性があるという。
「そこまでに成し遂げなければならないのは、PC周りは全部任せてもらえる情報ステーションとして地域に貢献すること。箱を作って人をあてがうだけのビジネスモデルではなく、地域に貢献したい人にノウハウとスキルを提供し、店長業務を委託していきたい」と黒木氏は語る。
かかりつけ医としてコンサルティングの業務拡大も視野に入れる。現在、個人向けPCはスマホに代替されて市場が縮小しているものの、法人向けは働き方改革の推進によるテレワークの増加、システム管理やメンテナンスを含めたサポートの需要増加などで、今後も伸びしろが大きいと見られている。こうした情勢を考慮し、中小企業向けのRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の研究を進めるなどし、顧客にさまざまな提案ができる体制を作ろうとしている。
黒木氏が目指すのは、100年続く企業としての収益基盤の構築。そのために、「従業員一人一人の可能性を最大限に発揮できる体制を確立したい」と力を込める。
「経済界 2020年1月号」